寺宝
― 虎御石 ―
鎌倉時代、大磯の湘南平の麓に山下長者(お寺の縁起では本名 伏見大納言藤原実 基卿)と呼ばれる方が住んでおられました。
子供に恵まれなかったので信仰する虎池弁財天に願をかけたところ、夢枕に弁天様が立たれ、目が覚めてみると枕元に小さな石があったそうです。
この石を弁天様のお告げとして大切に仏間に安置してお経を上げていると、安元元年(1175年)正月、虎の日、虎の刻、玉のような女の子を授かりました。
長者はこの子に弁天様と生まれた日にちなみ、「虎」と名付けました。
不思議な事に、虎女誕生のもととなった石は虎女とともに大きくなり、「生きている石」安産子授けの御霊石として崇められ、屋敷の中に祠を作って奉られました。また、虎女こそ、後に舞の名手、虎御前となるのです。
毎年五月下旬に「虎御石まつり」が行われます。
この日は「十郎の身代わり石」とも呼ばれ、触ると安産や厄除け、大願成就のご利益があるとされる「虎御石」を特別開帳致します。
― 虎御前 ・ 虎池弁財天 ―
― 虎御前・虎池弁財天 ―
虎御前
鎌倉時代の伝説の舞姫。
曾我十郎祐成の思われ人。
鎌倉の鶴岡八幡宮で「11番目、大磯山下長者の娘、虎」舞を奉納とある。
当山の初祖。
虎御石
虎御前の誕生のもとと成り、後に曾我十郎の身代わりとなって兄弟を救い、大願成就のもととなり、江戸時代は街道の名物となった。
虎池弁財天
山下長者こと藤原実基(さねもと)卿の持仏。
この弁天様に願をかけたところ「虎御前」を授かった、と伝えられている。