鎌倉時代、大磯の湘南平の麓に山下長者(お寺の縁起では本名 伏見大納言藤原実 基卿)と呼ばれる方が住んでおられました。


子供に恵まれなかったところから持仏の虎池弁財天に祈願したところ、夢枕に弁天様が立たれ、「願いは叶う」とのお告げ。目が覚めてみると、枕元に小さな石があったそうです。


この石を弁天様のお告げとして大切に仏間に安置してお経を上げていると、お内儀が身ごもり、安元元年(1175年)正月、虎の日、虎の刻、玉のような女の子を授かりました。
長者はこの子に弁天様と生まれた日にちなみ、「虎」と名付けました。
さて、虎女誕生のもととなった石は大切にされましたが、不思議なことに、虎女とともに大きくなり、「生きている石」安産子授けの御霊石として崇められ、屋敷の中に祠を作って奉られました。また、虎女こそ、後に舞の名手、虎御前となるのです。