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 なにやら年末ギリギリまでお寺にはお客さん(参拝の檀家さん以外の)が絶えず、元日には息子の家族が合流し、娘家族ともエネルギーが充ち満ちて、うれしい反面、老夫婦には普段の猫2匹との生活のリズムと比較できないほどの賑やかさで、圧倒される数日を過ごしました。


 そして、正月と言えばいつもながら、2,3の両日、おなじみの関東大学駅伝の選手たちが山門の上を走り抜け、素晴らしい健闘精神に拍手、声援でしばし自分の年齢を忘れ、勝負の最後までをテレビで見とどけると息子たちが帰ってしまいます。


 ほっとするまもなく、翌4日の恒例「檀家さんの年始回り」(20軒弱)の準備。屠蘇気分で緩んだ腹筋の回復を念じつつ、気分のたて直しにせわしなさを感じます。


 4日は町の賀詞交換会でもあります。私のような者も町の総合計画審議会というムズカシイ名前の会の会長となっているため、いつも出席しています。

 出席して町長さん他のエライ人たちの思いの丈を直立不動で45分ほどお聞きし、町の功労者の表彰式に拍手を送るところまでで失礼いたしました。


 妻の運転であと10軒ほど、日頃お寺がお世話になっている総代さんや役員さんの自宅にうかがい、年始回りは終了ということでした。ところが、正午過ぎに終了すると、結構腰に応える年齢となってきたのにはいささかがっかりしました。

 翌々日の6日は春秋の法話をさせていただいている本門寺の「法類新年会」というのに上京し、夕方から妻の10日に迫った自分の寺の新年会の準備の手伝い。

 8日は日蓮宗宗務院の新年会に出席、と、続きました。


 14日は未だに個人会員である日本記者クラブの新年互礼会に出席しました。東京の、中央官庁街に近い内幸町に日本の新聞界が自分たちで土地を購入し、自分たちで(株)日本プレスセンターという会社を作り、社長以下役員はすべて(社)日本新聞協会の役員ということでプレスセンタービルを補助金なし、自力で建設し、(株)プレスセンターは店子の新聞協会や日本記者クラブなどから賃料をもらい、地主の日本新聞協会に地代を払うという仕組みは「プレスの独立」を守る仕掛けになっています。


 残念ながら、年々知っている人の顔が減り続けていますが、今年は往年の大スター、宝田明さんに紹介され、話す機会がありました。記者クラブでは様々な人の会見を設定していますが、政治家ばかりではなく、宝田さんのような芸能・文化の世界、経済界、世界各国の要人など、クラブの記者会見に応じてくれた人たちにも招待状を出しているのです。


 宝田さんは戦争中、ソ連の兵隊に銃撃され、弾丸が体を貫通したという体験を話され、「正直言うと、撃ったソ連兵に対する憎しみが中々抜けなかった。逆に日本兵から打たれた人の恨みも簡単には消えないでしょう。だから、戦争は絶対にいかんのですよ」と話されました。


 今年は正月早々から原油安や中国経済の減速などにより株が大幅に続落したり、北朝鮮が「4回目の核実験」を行ったという大ニュースも飛び込んで来ました。中東ではISだけではなくスンニー派とシーア派の対立がサウジアラビアとイランの国交断絶、その周辺諸国まで巻き込んだ対立に発展し、「宗教って人々が幸せになるためにあるんじゃあ」と悲しさがつのりました。


 その後、英国から、ロシアの情報部員で、秘密の暴露を行い英国に逃れた人が、ロシアの情報部員により強力な放射線を含んだ飲み物を飲まされ暗殺された事件の調査結果が英国政府から公表され、「プーチン大統領の了承を得て実施されたと思われる」とのコメントがロシアの反発を買っているとの報道もありました。


 「人間てやっかいな動物だなあ」そうは思いませんか。


 日本国内では、甘利経済担当大臣が「口利き料」として50万円を2回受け取った、との週刊誌情報で、久しぶりに政府を攻撃する材料をもらった野党は張り切りました。敵失にたよる野党の姿に「またか」と想われる方もおられるでしょう。



 甘利大臣は日本が再び成長して行く上で大変重要だとも言われているTPP交渉をはじめ、日本がGDPであっという間に中国の半分以下となってしまった苦境から抜け出すための重要な案件を抱えた大臣でした。


 「こんな重要な案件に、がんの手術を乗り越えて取り組んでいる大臣が、50万円ぽっちの金をもらってどうするんだろう。それとも、今の政治家は依然として口利き料をもらうことにマヒしているのか。国会はもっと重要な国を救うための議論をしてもらいたい」



 でも、甘利大臣は記者会見で30分も説明した後、「秘書に対する監督責任をとり、政治家としての美学を貫くため辞任する」と、野党やマスコミの予想を裏切りあっさり止めてしまいました。


 皆さんはどう想われますか。そういえば、かつて米ロッキード社から5億円の「闇手数料」をもらったとして、逮捕され、政治的に失脚した田中角栄元総理を、あれほど「金権主義、政界腐敗の元凶」と、非難・批判していたマスコミが「戦後もっとも傑出した総理」とか、「もっとも人気があった総理」などと書き出したのはどうしたことでしょう。不思議としたいいようがありません。


 最近ではかつて細川政権や民主党政権を樹立させた小澤一郎氏を「天下の大悪人」のごとく叩きまくったマスコミが、野党連合のキーマンの一人として、また持ち上げようとしているのにも驚かされます。密かに共産党の志位委員長が小澤氏に何回か会って「自分たちは政権を取ったことがないので、いろいろと教えてほしい」と要請したことも報道されました。


 「そうだよなあ。どう考えても長く続いた自民党政権を、2度の国政選挙を経て倒し、民主党政権を樹立したのは小澤氏なのに、なんで民主党の人たちは必死になって小澤氏を追い出したのだろう。自民党は笑いが止まらなかっただろうな。そして2大政党も消えてしまった。今の一強多弱の状況は民主党のリーダーたちが自分で作ったんだから、不思議だよ。その後、民主党から出て行った人たちの中にはまた野党連合を作るために一生懸命な人もいて、これは到底理解不能だな」


 人を、ましてや指導者を評価することは簡単ではありません。それにしても、今年は夏の参議院議員選挙から、18才からの選挙権が行使される時は迫っています。日本国の主権者は私たち国民です。一歩一歩前進によってこの国が今よりも住みよい国となることを心から願わずにはおられませんね。それは、巡り巡って私たち一人一人の人生に大きな影響を持つことになるからです。 


 まさに国民が試される年が始まったのです。お坊さんができることは極めて限られていますが、若い人たちが、みすみす不幸になって行くのだけはとどめたいと祈りながら歩いて行きたいと思っています。今年もよろしく。



2016年 2月