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 新しい年が始まりました。そして最初の一月が終わろうとしています。皆様にはいずれもお元気で、良きスタートを切ったことと、お喜び申し上げます。

 1月ぐらいは 「おめでたい」 はなしをしたいものですね。日蓮宗の本部(池上本門寺そばにあり、宗務院といいます)で開かれたご用始めに出席しました。一番えらい、日蓮宗を代表するお坊さん( 日蓮宗管長 )は現在、身延山久遠寺のご住職( 法主 )ですが、そのご挨拶は東日本大震災からの復興の大切さを「絆を強めることと、宗教関係者の全力での支援」を強調するものでした。

 その次にエライお坊さん(宗務総長)は日蓮宗に寄せられた義援金が5億6千万円以上となり、被災した寺院や家族を失った人々に渡された事を説明し、これからも全力で宗教人として、心のケアなどの役目を果たして行く事を強調されました。
というわけで、お寺の世界でも東日本大震災は単なる災害の枠を越えた、宗教のあり方を問い直す大事件として考えられているのです。延台寺でも今年もなにかできることを考えて行きたいと思います。
そして、私たちが命の大切さ、その命の源流である両親、その両親、そのまた両親という、命の流れを、また、その命の流れをしっかり守ってくださるお釈迦さまと諸天善神を見失わないように強く祈念しております。

 お正月に、NHKのテレビでこれからのこの国に誇りと希望がもてる番組を見ました。皆さんも知っているとおり、この国は人間と水以外の資源に恵まれず、今から70年前エネルギーの基である石油の輸入を禁じられた時「勝てる」と思ったリーダーが一人もいなかったのに、アメリカ、イギリス等との戦争をし、3百万人もの犠牲を出した国です。「石油の一滴は血の一滴」と考えた国です。戦争末期には、飛行機を飛ばす燃料がなくなり、その代用として「松根油」を考え、女学校の生徒や家庭の主婦たちに必死で松の根を掘らせまくったことでも知られています。

 生き残った指導者たちにはこの時の思いが強く残っていたでしょう。戦後しばらくはバスやタクシーだって後ろに薪をくべて、真っ黒な煙を出してゼーゼー走っていたものです。その人たちにとって、原子力の平和利用は国の自立をささえる、まぶしいようなエネルギー源として映ったかもしれません。70年代に中東危機からオイルショックが起こったときにも、この思いはさらに強くなったことでしょう。悲しい現実です。
多くの犠牲を出しながらも、戦争中も継続された黒部川の電源開発は戦後完成した
黒四ダムで完結し、佐久間ダムとか、大規模ダムも続々と完成しましたが、日本の発展を支えるだけの電力を得るには不十分でした。おまけに、自然破壊という強い批判にもさらされています。その後中心となった石油による電力確保も地球温暖化の元凶と見なされ、世論の批判にさらされたのはそう古い話ではありません。
風力発電の風車が回るとき、耳には聞こえにくいけれども健康被害をもたらす、低周波公害が話題となっています。低周波公害は沖縄への配備予定のアメリカの最新鋭輸送機オスプレイでも問題視されているものです。なかなか「 全部良い 」は難しいようですね。

 ところで、お正月のNHKの番組は安い輸入材に押されて荒廃が進む四国の山奥で、オーストリアなどに学び、製材会社が製材の時に出る廃材で電力を起こし、自社で使用する全ての電力をまかなうだけでなく、余った電力を電力会社に売って毎月数百万円の利益を出し、間伐材からチップを作り、チップを使用するストーブを販売し、新しい雇用を生んで過疎化に歯止めをかけ、石油の消費を押さえ、チップの燃費向上で一酸化炭素の排出量も抑え、国土の荒廃を押さえるとともに、地域にプラスのサイクルを生み出している、という実例の紹介でした。
また、この番組では欧州の名車のデザインも手がける日本人デザイナーが日本に帰って日本にしかできない自動車製造を進める話も紹介されました。「物まね」の範疇を飛び出し、文字通り日本発のアイデアで世界をリードする実例は見ている私たちに元気と希望を与えてくれました。

 エネルギーもアイデアも日本にはそれを自分の発想で乗り越えて行くだけの力があるのです。下を向いてばかりいる必要はないのですね。しかし、そうした生き生きした社会をはぐぐむためには、一方には人々の強い絆が必要であり、一方には自由な発想で新しい事業を推進できるように、不必要な規制等を極力廃止する必要がありそうです。

  大震災で壊滅的な打撃を被った地域の復興にも人々の努力が報いられるような間違っても努力をじゃまするような、厚さ10センチもの資料を要求するような、中央官庁から被災地市役所などへの信じがたいじゃまは絶対に排除されねばならないでしょうね。

今年こそ、日本人の英知が発揮されることを心から願っています。

2012年1月