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 早いものですね。あっという間に3月です。と、書き始めた翌日でした。
とんでもない大災害が起こってしまいました。

 まるで昔の東宝映画「日本沈没」を観ているような、本当のこととは信じられない自分がおりました。時間を追って災害のひどさが明らかになり、一つの町そのものが消えてしまったところもあるという、何とも恐ろしい事になりました。

 しかし、人間というやつは実に薄情なモノだと思いました。だって、実際にその瞬間多くの人々の命が失われ、多くの車や家が土煙を立てながら波に弄ばれているというのに、それを一種の「見せ物」のように眺めていたのではないかとこれは自分自身を含めてのことですけれども、そんな実感を持ちました。
と、同時に助かった人のインタビューに胸を打たれ、家族を捜す母親に涙する自分でもあったのですが。

 よく、落語で江戸っ子は火事見物が大好きで、どこかで火事があると、それを眺めながら、「おっ、良いあんばいに風が吹いてきたな」なんて罰当たりな事をいう、なんてはなしがしゃべられ、客もそれを笑って聞いている、って事があります。

 今回、テレビの中継で刻々と伝えられる、信じがたい光景を食い入るように観ている自分の心を中をのぞいてみると、この落語にでてくる野次馬を笑えない心があったのではないかと、正直空恐ろしい気がいたしました。皆さんはどうですか。

 われに返れば、「1万人以上の死者が出たのではないか」「いつになったら復旧できるのか。一年でもだめではないか」と呆然として、わが家があったあたりにたたずんでいる人の言葉に「どうしたら良いんだ」と思わずにはおられない自分がいるのですが。

 エラそうに、「キミ、人間というモノは」なんて、10年経っても言えそうもありませんね。私たちの心にはいろいろなモノが住んでいるようです。でも、最後は人間というモノを信じたい。そう思って生きているのです。歴史を振り返ると、人間という動物は実にいろんな事をしでかしてきたことが解ります。戦争の時ばかりではありません。悪魔の所行だって結構やってきました。しかも、特別の恐ろしい人だけがやってきたわけではありません。普段はまったくフツーの人が急変してしまうのですから困ったものです。

 しかし、それでも人間はすばらしい事をします。まずは、今回大震災で犠牲となった方々のご冥福を心からお祈りいたします。けがをされた方々の一日も早い回復をお祈りいたします。そして、今度も被害に遭われた地域の人たちだけではなく、多くの人が「人間ってすばらしい」と改めて実感できる事を成し遂げ、助け合い、温かい人と人との結びつきをによって、私たちに将来への希望を教えてくれるのを心から期待します。私たちも何かできるかもしれませんね。


2011年3月