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 新しい年が明けました。何はともあれ、おめでとうございます。

 それにしても、厳しい時代ですね。10年前に逆戻り?どうか皆さん、しっかり生きてくださいね。 昨年、テレビを見ていて、独立心の強い女性からすばらしい言葉をもらいました。

「私たちって、本当に生かされているんですね」

 女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功したほか、世界7大陸最高峰を踏破した世界的な女性登山家、田部井順子さんのことばです。
このとき田部井さんはNHKのアナウンサーをリードして北アルプス60キロを3週間で縦走中という番組の中でした。私は思わずウナった。

「このオバはん、なんちゅうこと言うねん」

どうも私はコーフンすると、関西弁風になるようです。

なんと、素晴らしい方ではないですか。
「私たちは生かされている」この言葉を縦走が始まって間もない頃、心細い思いで遅れがちなアナウンサーと絶景ポイントで、ポツリともらしたんですよ。うれしいではありませんか。やはり達人は違いますね。大自然の中で、「いのち」の価値と意味をしっかり自覚しておられる。
人生は自分だけのもの、なんて平気でしゃべる自称知識人までまかり通る今日この頃です。だまされてはいけませんよ。「いのち」は仏さまからお預かりしたもの、なんて言うと、「やっぱり坊さんだねぇー」なんて言われそうだけれど、あんたはどう思うのかね。

 子供を育てたことがある人なら解るでしょう。人間ほど育てるのに手がかかる動物はないそうですよ。普通なら1年から数年もたてば、自分でエサをとることを覚え、独立して自分で生きてゆく。そして気に入った(?)異性と出会って子供を作り、独り立ちさせる。そして、それを繰り返して死んでゆく。それだけです。

 人間はどうです。保育所、幼稚園から学校、それも今じゃあほとんどの子が大学まで行くからめちゃくちゃに手間がかかりますよ。その後だって、就職だあ何だって大変だ。20年以上親は子供の面倒を見なければならない。なぜ、こんなに手がかかるのか、解りますね。
人間はエサをとって、子供を作るだけのために生きるからじゃあないからでしょう。 縦横に複雑な人間のつながりの中で生きているんでしょう。
「いや、俺は一人で好きなように生きているんだ」なんてヒト、たまにいますよ。
それ冗談?でしょ。朝起きたところから、私たち人間は一人ではないのです。「いや、俺は一人暮らしだよ」「それでは、起きて何か着ませんか?。えっ、着ます。じゃあ、それは自分で作ってるんですか」

 そう、私たちは着るもの、食べるもの、仕事場までの交通、みんなたくさんの人たちの力に頼っていますね。仕事だって、たくさんの人たちの力から成果が生まれるんでしょう。絵描きさんだって、絵の具や絵筆、キャンパスなどは他人の力に頼りますよ。
間違っても自分一人で生きてるなんて思っちゃいけません。それどころか、生きていない人たちの力にも助けられているでしょ。「自動車、誰が作ったの」「飛行機誰が作ったの」「コンピューター誰が作ったの」みんな考えたり作った人はとっくに亡くなってますよね。音楽だって、絵画や小説、ものの考え方だって、何百年も前の人が作ったすばらしいものを楽しんでいるじゃありませんか。

 私たちは生きている人たちとだけ向かい合っているんじゃあないでしょ。それが人間なんですよ。夫婦や親子だってそうです。
「生かされている」と、素直に感じられるようになったとき、あなたはきっと幸せになれますよ。お屠蘇を飲み過ぎたせいか、舌が滑りすぎたら、お許しください。

今年もよろしくご愛読を願います。

2010年1月