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アッという間に梅雨も明け、街には祭り太鼓の音が響く、そんな季節になりました。
怠け者の私はオタオタとお盆の準備に追われる毎日です。世の中、右を向いても左を見ても、あまりパッとしたはなしはないようです。
でも、私は2週間ほど前、ふとテレビで見た若い女性が忘れられないのです。
  「お坊さんのくせに」なんて言われそうですね。でも、その女性は久し振りに私にこの国の未来に希望を抱かせてくれたのです。

まあ、聞いてください。
電器も水道、ガスもないインドの農村でした。林隆三という俳優さんがそこを尋ねる番組でした。なんと、その村の一軒の農家に日本のある大学の農学部に在学するうら若き女性がいたのです。日本人です。その村はインドでも貧しい地域にあり、燃料は牛のフンを乾燥させたものでした。そこにその娘さんはいたのです。
林さんがチャレンジして戸惑うような農作業をなんなくこなしているのには心底関心いたしました。田圃を耕すといっても、耕耘機ではなく牛に鋤や鍬を引かせて、ドロ田の中を裸足で歩くのです。牛ですから気が向けば歩きながらオシッコはする、ウンチもする訳ですが、その田んぼの中で黙々と作業する姿、地元の人が作った料理を人々と一緒に笑顔で食べている姿に正直参りました。

「近頃の若い者は、とは決して言うまじく候」
とはあの、アメリカとの戦争に最後まで反対しながら、真珠湾攻撃を立案・命令した山本五十六海軍大将の言葉だそうです。
今から70年前も年寄りは若者を否定的に見ていたようです。山本さんによると、古代ギリシャ、ローマの時代から年寄りは若い人を否定的に見ていたようで「もしそれが本当なら、一体今の世の中をどう見たら良いんだ」ということでした。


インドの農村に実習とはいえ、住み込んで、本当に地元の人たちと解け合い暮らす
日本の若者。「将来は発展途上国の人々のために尽くしたい」という言葉も自然でした。いやな話しばかり聞く昨今ですね。私も毎週、明治大学で私のつたない話しに耳を傾ける二百人以上の若者に接していますが、ともすれば

「・・・この国の将来はキミたちにかかっているのだから」

などとエラそうに言ってしまいがちです。
「自分だけのことを考える」「一生は自分だけのもの」などという言葉を聞くと大変悲しく、情けない思いをかみしめていた私でした。しかし、お盆を前に、今は無き父母やご先祖に、とかく国際社会でも存在感をなくしつつある日本について、しっかり足下を見直せば、この国の将来もまんざら悲観するにはあたらない、と言われた気がいたしました。
そういえば、さる6月北欧のフィンランドで開催された国際会議に出席したのでした。

この次はそのお話しをいたしましょう。

2009年7月